トイドローンのホバリングは操縦ではなく○○と考える

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【トイドローンでホバリングするコツ

「トイドローンの操作が難しい……」
「トイドローンがホバリングせずにすぐに移動してしまう……」
「トリムしたはずなのにドローンが流れていってしまう……」(これは補正方向を間違えていただけでした)

あまりにも思いどおりにドローンを操縦できなくて、
「このドローンってバランスが悪い?個体差?初期●良?……ちっちゃいし」
とか思っていました。

でも、発想を変えてみたら、操作するときのスティックのコツがわかって、トイドローンのホバリング的挙動が、少し上手にいくようになったのでそのときの話でも。

1. はじめてのトイドローン 〜ホバリングなどの操作で苦戦するまで

通い始めたドローンスクールでは、「JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)」の資格の取得と、映像編集やツールの知識を深めることを目的としています。

なお、取得を目指すドローン関係の資格は2種類あって特色はそれぞれ次のようになっています。

  1. 「操縦技能証明証」(Main)
    • 無人航空機を安全に飛行させるための知識と操縦技能を有する者に与えられる証明証
  2. 「安全運航管理者証明証」(Option)
    • 無人航空機の運航に関わる十分な安全と法律の知識を有し、飛行業務の安全を管理する者に与えられる証明証

この「安全運航管理者証明証」は(Option)となっていますが、無人航空機に限らず小型無人機を含めて、ドローンを外でを飛ばすことを考えると「安全運航管理者証明証」の認定やそこで求められる知識等は重要になると思います。(と、この辺を書き出すと長くなりそうなのでまた改めて。)

2. 思うように飛ばないトイドローン

授業では、後半の日程にドローンの操縦やドローンの点検等の技能系の実習が割り当てられているのですが、そこは良く考えられていて、初日の最後の時間帯に「トイドローン」を使ったテスト飛行があります。

トイドローンを使ったテスト飛行では、とにかくホバリング(空中での静止状態)ができないことがわかります。

『流れる。行きすぎる。止まらない。高さが変わる。また流れる。向きを変えただけなのに流れていく……。トリムを調整したはずなのに流れていく……。エアコンを切ってもらったはずなのに……。場所が悪いのでは……。●良品なのでは……。個体差では……』と厭世的な気持ちになったところで初日の授業が終わります。

一方で、トイドローンの操縦が満足にできないという洗礼を受けることで(→『これから、より大きく重量もあるドローンを落下させてしまったときのことを考えると、危なくて演習ができないよね。』と)、トイドローンでホバリングなどの操作を安定してできるようになることが重要だと気が付かされました。

3. 試行錯誤と気付き

とにかく技能系の実習は2週間後、さらに1週間後には操作チェックが待っているので、あまりの操縦できなさに焦りつつ、時間を見つけてはドローンの操縦を練習していると……

  • ドローンが移動や方向転換するときに、急で大きな動きをすると、その影響で機体が流れたり止まらなかったりする
  • 不安定なときにドローンを無理に操縦してホバリングさせようとするとモーターの音が変わるバッテリーの減りも早い
  • 壁の近くでは引き込まれるようなときもある
  • トリムが逆効果になるときがある(後に、練習の合間にマニュアル(holystone社Webサイトの「Support center > Manual & Drivers」)を読んでいて押していたボタンが逆方向のだったことに気が付く)
  • エアコンの風の直撃から逃げようと廊下に向かったら扉の近くではもっと揺れた
  • バッテリー残量が少ないとき、バランスが取れなくなって移動幅が大きくなっていく
  • トリムボタンを連打してると突然flip(宙返り)して壊れたかと焦る(仕様でした)

といった傾向が見えてきました。

○練習時のインターバル

余談ですが、練習の回数は多めに取りましたが、すぐにバッテリーを変えて連続で練習はしませんでした。モーターも頭も冷えて、ちょうどよかったのかなと思います。

4. 発想が変わる「ドローンが先か、風が先か」

その結果『ドローンは風の影響を受けやすく流されて当たり前。止まっている方が奇跡。だからセンサーを活用して制御する必要がある。センサーがついていない周囲の環境が悪いときは無理をしない。』と考えるようになりました。

そして「ホバリング=静止状態(小さく移動しながらその場をキープしている)」であって「ホバリング≠静止(移動していない)」なんですよね。知っている人からすると当たり前かもしれませんが、ここに気が付くのに時間がかかりました。

  • ドローンが、ホバリングしてそのポジションを保っているのは、移動していないのではなくて、まわりの空気の流れに合わせて細かく移動し続けている状態。
  • 常に風の影響を受けているので、プロポのスティックを細かく動かし続けて、その影響を打ち消すように移動させる
  • 風が強ければホバリングは無理

5.トイドローンをホバリングさせるときは操縦でなく制御の感覚で

これで、少し安定するようになりました。とはいえ、風には勝てないので、安定してないときは、ドローンを飛ばしながら空気の動きの影響が少ないところを探してみるのもいいかもしれません。

「トイドローン」だと軽く見ていた面は否めませんが、実際のところは制御のためのセンサーがついていないので操縦が困難だそうです。

でも、ここでしっかり感覚を把握しておかないと、普段センサーで制御されているドローンがセンサーからの情報をロストしたときに対応できないそうです。確かにそのとおりですよね。

はじめは「トイドローン」なのにガチだなと思いましたが、それだけの理由があるし本当に必要だってことですよね。

6. トイドローンを操作してわかったこと

  • トイドローンのホバリングは

    静止しているわけではなくて、細かく移動しながらその場に留まっている状態

  • 風・空気の流れの影響は本当に大きい

    周りの風を受け流すようになるべく、小さな動きを繰り返すように操作するのがコツかも。回避できれば回避

  • ホバリングは操縦ではなくて制御

    ホバリングするときは、「操縦2:制御8」くらいの感覚でちょうどいいかも

  • ホバリングができなくて、ほかの操作もできなくて、トイドローンを練習時に意識していたことを、こちらのページにまとめてみました。良かったら見てください。

    (参考)ドローンの飛行業務の安全性に関する資料

    無人航空機の運航に関わる十分な安全と法律の知識を有し、飛行業務の安全を管理する者が重要なことが伺いしれる文書。

    『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(概要)』(国土交通省) (pdf形式のファイルです。)